〇あの「夢の色彩」も収録されており、今後のコンサート会場等にて販売いたします(3,000円税込)。こちらよりメールvnfunmi@gmail.comにてもお申込みいただけます(銀行振込となり、送料無料で郵送させていただきます)。

〇ぶらあぼ6月号「Pick Up」欄にて、長井進之介氏より「ユニークな編成で紡ぐ唯一無二のサウンド」とご紹介記事をいただきました!
〇ぶらあぼONLINE 6月号にてご覧いただけます。 https://ebravo.jp/archives/190289
〇レコード芸術オン・ライン 投稿日 : 2025.09.08


CDタイトル:かつて夜の灰色から浮かび出て
後藤 洋氏(作曲・音楽評論)
推薦 ピアノ、ヴァイオリン、サクソフォーンのために書かれた三重奏曲は非常に少ない。評価に値する作品とい えば、ジャン=リュック・ドフォンテーヌが2000年に作曲した《夢の色彩》くらいだろう。そこで3人の奏者たち はこの編成のための新作を若い作曲家久保哲朗に委嘱。完成したその作品《かつて夜の灰色から浮かび出て》を、 ドフォンテーヌの作品と並べてアルバムの中核に据え、その前後をピアノ、ヴァイオリン、チェロ――ミヨーの組 曲ではチェロではなくクラリネット――のための三重奏曲の編曲版で固めた。この編成のための三重奏曲集、と知 って筆者が案じたのは、バランスの問題。サクソフォンはその気になれば驚くほど大きな音を出すことが可能なの だ。性格も時にロマンティックになりすぎて、他の楽器との音楽的なバランスが崩れることもしばしばだ。しかし この不安は杞憂に終わった。陬波花梨が奏でるサクソフォンは、クラリネット替わりのミヨーでも、チェロの代役 を務めるラヴェルとドビッシーでも、まるで「こちらがオリジナル?」と勘違いしたくなるほどの見事なはまり具 合。特にラヴェルのピアノ三重奏曲では、異なる3つの楽器同士が互いに連関しつつ発展し、新たな音楽的造形と 色彩を創り上げる、という室内楽の醍醐味を存分に味わえる。オリジナルの2作品も同様で、とりわけ久保哲朗が パウル・クレーの絵画の世界観を音楽で表現したという委嘱作品の精緻な造形は、もはや楽器のことなど忘れさせ てくれるほどの見事さだ。
〔ドビュッシー,ミヨー,ジャン=リュック・ドフ ォンテーヌ,久保哲朗,ラヴェルの作品〕
黒岩航紀(p)伊藤万桜(vn)陬波花梨(Sax) 〈録音:2024年9月〉
[molto fine(D)MF29801]

〇元日本経済新聞社の池田卓夫氏レビュー

〇「無線と実験」平林直哉氏レビュー